■ セルトンエスに出ようよ!

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     初めての渡伯後、私はロサンゼルスへ向かうアメリカン・エアーの機内で、あれこれ思いを膨らませていた。約1ヶ月間のブラジル滞在中、色々なものを見たり聞いたりして経験をしたが、やはり頭の中はセルトンエスのことでいっぱいだった。ストップ・オーバーで立ち寄ったBAJA1000のスタートもうわの空で、思考はすべてセルトンエスに向いていた。帰国早々ラリー仲間にコンタクトを取り、持ち得る限りのセルトンエス情報を彼にぶつけてみたところ、あまりの熱弁に圧倒されたのか、意外にもあっさりと参戦を承諾してくれた。こうして、セルトンエス日本人初参加へのスタートは切られたのだった。

     私は、目標へのプロセスが一番楽しいと思っている。また、そのプロセスを思いっきり楽しもうと心掛けている。なぜなら、楽しいと感じることは、またたく間に終ってしまうから。以前読んだ本の中に、「幸せだと感じることは、過去と未来にしかなく、現実は厳しい…」なんてくだりがあったが、まったく同感である。ラリー参戦はその最たるもので、競技期間中は結構辛く厳しい日々が続く。が、しかし、いざ終ってしまえば、その辛く厳しい思い出はどんどん浄化され、楽しかったことや嬉しかった思い出だけが心に刻まれていく。また、時間が経てば経つほどその浄化作用は働き、「もう一度行きたい!」という気持ちに拍車をかけるのだ。だが、そこでまた現実は厳しいので、当分の間はその幸せだった思い出をさかなにして飲む日々が続くわけだ。だから私は「セルトンエス!」。自身のスタンスでこのラリーを続けて行こうと思っている。初めて参戦する皆さんとともに…。



    ■ 僕らが忘れてしまったもの…

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       ものに埋もれたこの日本に生きていると、いつしか忘れてしまっていることがよくあります。たとえば、オフロードバイクに乗るには、まずヘルメット・ゴーグル・ウェア・ブーツ・ガード類。あと、「水を入れたキャメルバッグにツールも持った方がいいぞ!」なんて数え上げたらきりがありません。海外ラリーとて同じことで、高価な逆輸入マシンにスペシャルパーツをふんだんに組み込み、日本より輸送し、満を持して参戦する。まあ、予算に余裕のある方なら問題はないでしょうが、このご時世になかなかそんな方もいないでしょうね。でも、だからといって、自分の冒険心を目先の物欲でごまかしてはいませんか?物欲は満たされることなくすべてを飲み込んで行きますが、経験は生涯自分の財産となって心の中に刻まれて行きます。本当は、「海外に行ってみたい!」、「海外でラリーがしたい!」という気持ちを大切にしてください。

       決して、高価なステアリング・ダンパーをつけなくても、ハンドルがプロテーパーじゃなくても、ラリーには出場できます。そして立派に楽しめます。私はそのことをブラジルのライダーから学びました。金なんか賭けなくったって、面白いものは面白いんですよ!こんな時代だからこそ、もう一度原点に戻って考えてみてください。

       ブラジルのオフロードライダー達はみんなイイ顔をしています!
      たとえ、泥にまみれたジーンズに穴のあいたスニーカーを履いていても…。



      ■ TOOLにこだわる!

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         最近私は"STAHLWILLE"〔スタビレー〕に凝っている。
        以前TOOLといえばやはり"SNAP-ON"〔スナップ・オン〕だと思っていたが、そのSNAP-ONも完璧ではない。各ツールメーカーによって特徴があり、得意分野もさまざまである。もちろん、SNAP-ON社の総合的なラインナップは素晴らしいが、ヨーロッパのツールメーカーも捨てたもんじゃない。見栄えはSNAP-ONにはかなわないが、質実剛健をコンセプトに開発されたヨーロッパツールの中でも、STAHLWILLE社のレンチ類はコストパフォーマンスに優れ、何よりも独特な「なし地仕上げ」が絶妙な手触りを生む。(油手で握っても滑りにくいと言う…)重量面でもかなり軽量で、ツールを腰に装備するわれわれライダーにとってはありがたい存在である。

         前回のセルトンエス参戦では、ラチェット・ソケット類をSNAP-ON、コンビネーションやスパナはSTAHLWILLE、ドライバーはスイスのPB、そしてモンキーはスウェーデンのBAHCO〔バーコ〕という豪華な組み合わせでセットを組んで参戦した(詳細については、「エクイップメントを考える…」をご覧ください)。



        ■ APOIOのお話し

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           英語で言うところの「SUPPORT」、ポルトガル語では「APOIO」〔アポイオ〕と言い、ラリー・セルトンエスではエントラントを陰でアシストする人達のことを意味します。

           我々が毎度お願いしているAPOIOは、「Di Paolo Motos」〔ジパウロ・モトス〕。イタリア系の気の良い社長が経営する、大会人気NO.1のプロ集団です。昨年は「PILOTOS」〔ピロート〕(パイロット)の増加に伴い、大型カミオン(トラック)を導入し、クイックアシスタントとしてV6 3000のパジェロとお友達のシボレーピックアップも同行してくれました。

           アポイオ人員は総勢9名(内メカニック4名)で、きめ細やかなサービスを提供してくれます。ピロートはワークスライダーのように、ゴールすればすべてアポイオがやってくれ、ピロートは即シャワーや食事に出掛けることが可能です。唯一の仕事といえば、ブリーフィングに参加し(通訳に任せることもOK)、翌日のルートブックをチェックしてマップホルダーに巻き付ける程度です。また、ホテルが取れないビバーク地では、消化の良い食事やビールまで用意してくれ、まさに「至れり尽せり!」状態です。明るい雰囲気作りも大変上手で、キャンプ地にはいつも笑顔が絶えません。このような陰での支えがあってこそ、ラリーは成り立つのだときっと痛感することでしょう。



          ■ マシンリメイクについて

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             セルトンエス仕様のマシンを作る場合、フューエルタンク容量とナビゲーション・システムさえレギュレーションをクリアしていれば、あとはストックでもほぼ問題は無い。他のラリーとは違い、水タンクを装備したり、テールライトを追加したりする必要が無いのだ。

             また、夜間走行がほとんど無いため、ヘッドライトを強化する必要も無い。よって、できるだけストックに近い軽量マシンに仕上げることがポイントだ。

             レギュレーションにもあるように、ハンドガードの取り付けは必須である。それ以外のガード類に関しては自由だが、あまりオーバー・ガードにならないように注意したい。あとはギヤ比の設定だが、高速ステージや長いリエゾン(移動)を考えると、やはり120〜130km巡航が可能なぐらいのセッティングを施したいところだ。



            ■ エクイップメントを考える…

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               基本的な考え方として、「マシンが壊れた時のために持つ」というのが一般的だが、転倒などにより自ら壊さないためにも、「あえて持たない」というのも“アリ”だと思う。私は前回、後者的な考え方でできるだけ装備品を減らし、普段通りのライディングができるように心掛けた。

               まず、装備品の中で最も重要なものは、ツール・スペアパーツ・飲料水だろう。この3種類をいかに軽量に、なおかつバランス良く装備するかがキーポイントだ。まずツールは、MSRのENDURO TOOL PAKに収納する。内容は、1/4サイズのフレキシブルシールラチェット(Snap-on)・ソケット(8-14mm Snap-on)・エクステンション(2in.4in.Snap-on)・ショートコンビネーション(8-17mm スタビレー)・差し替えドライバー(PB)・バイスグリップ付マルチツール(カショー)・モンキーレンチ(バーコ)・タイヤレバー(DUNLOP)・CO2ボンベ・パッチセット・ニップルレンチ(KTC)・プラグレンチ(純正品)・チェーンカッター・マグライト・ライター・タイラップ(T&B)・ステンワイヤー・ガムテープ(Duct Tape)・クイックスチール(MSR)・エポキシ接着剤など。次にスペアパーツだが、左右のレバーとスパークプラグ・チェーンジョイント・フロントチューブをマシンのリヤバッグに入れる。最後に飲料水は、お約束のキャメルバック(100oz)に入れ、背中に背負うことになる。

               以上、詳細を明記するとかなりの量に思えるが、実際に工具類はツールパックを含めても2kg程度であった。



              ■ ナビゲーションシステムのレイアウト

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                 ラリーレイドにおいて、まず1番に頼るものといえばナビゲーション・システム、そして後は自分自身でしょうか…。その最も重要なナビゲーション・システムのレイアウトですが、毎度のことながら悩まされています。参考までに、2000年に使用したWR400のコックピットを紹介します。過去の経験の中では、かなりシンプルでクオリティーが高いと思っています。

                 まずGPSは、使用頻度と転倒時においての破損を考え、あえてステアリングポスト上に配置しました。マップ・ホルダーとICOはお決まりの定位置ですが、角度や取り付け方法にこだわりました。

                 結果的には、数回の転倒に見舞われたにもかかわらず、ナビゲーション・システムへのダメージは皆無でした。セルトンエスのスタイルとしては、理想形だと考えます。




                ■ 「ICO」を勉強しょう!

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                   私がまだアフリカに夢中だった1?年前、ICOデジタル・メーター(電気的に車輪の回転速度を感知し、距離や速度を液晶画面に表示するラリー用メーター)など、ワークスマシンぐらいにしか付いていなかった記憶がある。今では国内でも簡単に手に入るようになったが、アメリカの現地価格から計算するとちょっと割高な気がする。(中には良心的な日本語マニュアルを付属してくれるショップもあるので購入時は要チェックだ!)

                   基本的に電源の種類により2タイプあり、単四乾電池3本で稼動する「Rallye 2」と、外部電源(12V)又はボタン電池3個で稼動する「VR」とがある。どちらも機能はまったく同じで、Distance(距離)・Current Speed(速度)・Clock(時間)等を表示出来る仕組みになっている。

                   操作はいたってシンプルで、あらかじめタイヤの外周サイズさえ入力しておけば、後は各モードへの切り替えをすべて手元のスイッチにて行える。ただし、メイン電源を「ON」にする時のみメーター本体のボトムボタンを押す必要がある。

                   ラリーでは主に「Distance」表示を利用し、ルートチャートに記載されている距離との補正をしたり、ゼロリセットを行ったりする。それ以外の機能としては、速度モードに置いて最高速度を記録しているが、これはあまり他人には見られたくない(?)ので早めにリセットした方が無難かも知れない…。

                   参考までに、ブラジルではICOのことを「イコ」と呼んでいます。



                  ■ Windows CE マシンと GARMIN

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                     ラリーでの毎晩の作業といえば、翌日のルートをチェックし、マップ・ホルダーにコマ図を巻き付ける。そして何よりも面倒なのが、GPSにWaypointを入力する作業である。
                     
                     携帯電話の操作に慣れたわれわれでも、GPS本体にある数少ないボタンを利用しての入力作業は効率的ではない。そこでこのWin.CEマシンの登場だ!プロの勧めで「CASSIOPEIA A-60」を購入し、「Garmap CE」と言うGARMIN GPSとWin.CEマシンとを連動させるフリーソフトをインストールした。そしてWin.CE Cable(両者を繋ぐ特殊ケーブル)で接続すると、Win.CEマシンでのWeypoint入力も可能になり、GARMIN GPSへ瞬時にアップロードしたりダウンロードしたりできるようになる。あとは、「AVIVA」のようなブラインドタッチを、この小さな「CASSIOPEIA」でマスターすればもう完璧である。

                    ※ 近年のセルトンエスでは、GPSポイントのダウンロード・サービス(有料)があるため、あえてWin.CEマシンを用意する必要はありません。



                    ■ ドイツTOURATECH社のGPSマウント

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                       このGPSマウントは、非常に精巧な造りをしています。材質はアルミとアクリルの組合わせで、接合にはすべてビスを使用し、溶接等は一切ありません。マシニングにより加工・軽量化されたアルミプレートは美しく曲げられ、アクリルの台座に見事に収まっています。マシンへの取り付けも、アクリル台座から伸びたラバーマウントスタット4ヶ所を、ルートチャートホルダー取り付け用プレート等に装着すればOK!(ステアリング・クロスバーへの取り付けキット付)

                       GPSとの取り付けは、GARMINの液晶画面の上下(横置きの場合)にある4ヶ所の窪みに、アクリル製の爪でガッチリと固定。でも脱着はワンタッチで可能です(脱落防止用エマージェンシー3mmHEX付属)。



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